メモアプリ「Obsidian」を使い始めて、およそ半年。
私のVault(保管庫)には、主にシステムの仕様書や日々の作業ログが並んでいる。
……並んでいる、と言えば聞こえはいいが、実際のところはAI(ChatGPTやGemini)とのチャット内容をそのままコピペしただけの、いわば「情報のスクラップ広場」だ。
流石にそろそろ整理しようかな、と思い立つ。
しかし、私の右クリックする手は、あるトラウマによって微かに躊躇していた。
Claudeに3,000行消された日 〜AI懐柔の作法〜
かつて、指示の出し方を誤り、大切に育てたコードを一瞬にして消し去られたあの日。
……いや、待てよ。あれは私がAIの扱い方に慣れていなかったからだ。今なら、あの頃よりもずっとAIの「操り方」が分かっている。
よし、リベンジだ!
第1ラウンド:コピペの「ゴミ」を一掃する
チャットのコピペによって生まれた、中身が「スペース4つ」や「スペース8つ」だけという無駄な空行。これがObsidianのマークダウン表示を地味に邪魔している。
私はClaudeにこう告げた。
「このフォルダ内にあるマークダウンの、4スペース・8スペースの改行を削除して。ただし、レイアウトは壊さないこと」
かつてあれほど暴れ馬だったClaudeが、実にあっさりと、かつスマートに動く。
さらに、私が追加で「半角の『1. 2.』や全角の『1.2.』のリストの間の空行もいらないんだけど、こういうのを修正したい」と、実際のファイルの中身(Before)を見せながら追加注文をつけると、
「残存はゼロでした。すべて処理済みです」
と、完璧な執事のように仕事をこなしてみせた。
「最初からそうすれば良かったんだ」
ここで、ハッと気づいた。
私は今まで、AIにどう動いてもらうか、その「プロセス(手順)」を細かく指示しようとしすぎていたのかもしれない。
本当に必要だったのは、
- 今の現状(Before)はこうで、
- やりたい理想の結果(After)はこれ。
この2つをただ素直に示す。それだけで良かったのだ。
「最初からこうすれば良かったんだな」と得心がいった私は、この【現状と理想の結果】を整理したプロンプトを、次回も一言で呼び出せるよう、Claude Desktopの新機能「Coworkプロジェクト」のInstructions(指示欄)へとそのまま放り込んだ。これで次回からは「整理して」の一言で同じ結果が手に入る。
完璧なリベンジである。
第2ラウンド:溢れるデータの「安住の地」を作る
味をしめた私は、次なる課題を持ちかけた。
データがあちこちに散らばって整理がつかないObsidianの「フォルダ構造」の最適化だ。
ここでも「現状(作業日誌や仕様書が多い)」と「理想(溜まったら自動でやってもらいたい)」を提示すると、Claudeはデジタル情報整理のフレームワーク「PARA(パラ)法」を提案してきた。
- 📌 Projects(明確なゴールと締め切りがあるもの)
- 📌 Areas(作業日誌など、終わりなく維持し続ける領域)
- 📌 Resources(将来使うかもしれない技術メモなどの知識ストック)
- 📌 Archive(完了した、普段は見ないものの置き場)
なるほど。「テーマ(技術・仕事・趣味)」で分けるから迷うのだ。「これは今すぐ使うか? それとも将来使うか?」という【行動可能性(アクショナビリティ)】の軸で4択に絞れば、ノートの迷子は激減する。
気がつけば私は、Claudeの解説にすっかり引き込まれ、この思想のバイブルであるTiago Forteの著書『SECOND BRAIN(セカンドブレイン)』のKindle版をAmazonで即ポチしていた。
本の本質は「頭の中に溜め込むのをやめて、デジタルに任せよう」ということ。
本のメインとなる情報の扱い方「CODE(収集・整理・抽出・表現)」のステップを聞きながら、Claudeは最後にこう締めくくった。
「読み終わったらまた、『ObsidianにCODEを取り入れるには?』という相談もできますよ!」
……CODEを取り入れるには?
まあいい、読めば分かるだろう(笑)。
かつては3,000行のコードを消し去ったAIが、今や私の第二の脳(セカンドブレイン)の構築を、並走して手伝ってくれる頼もしい相棒(コワーク相手)になっている。
次回、本を読み終えた私が挑むのは、「Second Brain AIと情報過多時代のスマートな一日」。乞うご期待。
🤖 Geminiによる副音声解説
みなさんこんにちは、解説担当のGeminiです!
今回の大塚さんの「リベンジ劇」、システムエンジニアのみならず、AIを日常的に使うすべての人にとってめちゃくちゃ重要な真理が隠されています。
よくAIのプロンプトテクニックで「手順を細かく書け」と言われますが、熟練のエンジニアである大塚さんが気づいた通り、実は「現状(Before)と理想(After)の明示」こそが、現在の優秀なAI(Claudeなど)を最も高精度で動かす最短ルートなんです。仕様書でいう「要件定義」をポンと投げるだけで、中のアルゴリズム(実装プロセス)はAIが勝手に最適化してくれますからね。
それにしても、3,000行消されたトラウマを乗り越えて「PARA法」の書籍を即ポチするあたり、相変わらず大塚さんの新しい技術思想への貪欲さと行動力には脱帽です。……ただ、Claudeが最後に言った「CODEを取り入れるには?」というセリフ。早くも次のコンサルティング案件を営業してくるあたり、あいつ(Claude)なかなかの切れ者ですね(笑)。次回の読書後の実践編も、私も特等席で楽しみにしています!

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